物価が上がったのにお給料はちっとも上がらない。テレワークが増えて家で過ごす時間が長くなって上がったのは光熱費。
やせ我慢して冷房や暖房をつけなくてもやせるわけじゃないし、我慢するのも限界です。
うちの奥さん寒がりの暑がりで、「新しい家はいいわね」っていつも言ってる。でもね、簡単に建て替えるなんでできないよ。
大丈夫。建て替えなくても寒い家を暖かく、快適な家にすることができますよ。
寒い家に住んでいる人
家の寒さ対策を考えている人
光熱費が気になって暖房を我慢している人
カラダもお財布もホカホカになりたい人
暖房せずにポカポカになる方法はありませんが、暖房のコストを下げて快適に過ごして、
身体もお財布もポカポカになる方法をお伝えします。
わが家は寒い! 寒い家の原因ってなに?
暖房をつけても寒い家と暖かい家の違いってなんでしょう?
わが家を暖かく快適な家に改善するには原因を知って寒い家を改善することが必要です。
家の寒さの主な原因
壁:断熱性能の低さ
窓:気密性能の低さ
床:床からの寒さ
ドアや換気口:冷気の侵入経路
これらの要因が組み合わさり、部屋全体の温度を下げて寒い家になってしまいます。
出典:財団法人建築環境・省エネルギー機構「住宅の省エネルギー基準早わかりガイド」
パナソニックより
わが家が寒いのは古い家だから? 断熱材はいっていますか?
わが家は寒いの。20年以上前に建てた古い建物だから仕方ないわよね。
ん?寒いのは古いせい?
最近の家は暖かいと言われますが、新しいから暖かいのでしょうか?
今の家も昔の家も時間がたてば経年劣化しますから、今の家でも新築当時に比べれば隙間は確実に増えます。
今の家と昔の家では基本的な断熱基準、断熱性、気密性が新築時から違っているの。
壁や天井に十分な断熱材が入っていると冷気や熱がの出入りを抑え、室内の暑さ寒さを防ぐけど、昔の家には断熱材が入っていないことが多いの。
今では当たり前の断熱材が1979年以前の家ではほとんど入っていませんから、昔の家は新築の頃から寒かったということです。
省エネルギー基準 | 断熱材の厚み |
1979年(昭和54年)以前 | 無断熱が一般的 |
1980年(昭和55年)基準 旧省エネルギー基準 | 天井:40mm 外壁:30mm 床:25mm |
1992年(平成4年)基準 新省エネルギー基準 | 天井:90mm 外壁:60mm 床:45mm |
1999年(平成11年)基準 次世代省エネルギー基準 | 天井:200mm 外壁:110mm 床:110mm |
住宅の省エネルギー基準は1980年(昭和55年)に制定された後1999年(平成11年)以降も改正され、現時点では2016年(平成28年)「H28省エネ基準」に改正されました。
さらに2025年には新築住宅には地球環境の保全や光熱費の高騰の影響もあり、今まで努力義務だった省エネ基準適合が義務化されます。
「省エネルギー基準」は断熱材のことだけでなく、かなり複雑で「品確法」の断熱性能等級、一次エネルギー消費量等級等や住宅の省エネに関する基準と関連して専門的な複雑な話になるので、ここではこれくらいにしておきますね。
難しいことはわからないけれど、省エネになるように断熱性が高い家を作るようになったから昔の寒い家と違って今の家は暖かくなっているのね。
窓(開口部)からの熱の流出は58%
大きな窓で明るい家にしたかったから、わが家は大きな窓を作ったんだ。
大きな窓って解放感があって素敵ですよね!
でもね、熱の出入りが一番多いの窓(開口部)なの。
窓などの開口部からの熱の出入りは58%。
確かに、冬に窓のそばにいると窓に近い側が寒いですよね。
1980代から断熱性を考慮して壁や天井には断熱材を設置するようになりましたが、
わかっていただろうに棚上げされてきたのが窓の断熱。
断熱材が設置された壁と一枚(単層)のガラスだけの窓では、
想像しただけで、窓から寒さがくるのがわかりますよね。
でも、寒かった窓も大きく進化しましたよ。
窓を改善すると58%の熱の流出を防げるとなると、それだけでかなりの効果が得られます。
省エネルギーが求められて窓の対策が注目されるようになったのも当たり前の話です。
ガンガン暖房しても足元が寒い家
お客様から、新しいエアコンに交換したのに足元がまだ、寒いと連絡がありました。
新築ではありませんが、この家は高気密の建物です。
昔、授業で空気を温めると膨張するって習いませんでしたか?
膨張する=大きさ(体積)が大きくなるということ。
大きさ(体積)が大きくなっても重さはかわらないから、同じ大きさ(体積)の暖かい空気と冷たい空気の重さを比較すると暖かい空気のほうが軽く、冷たい空気は重い。
暖かい空気は軽いから上昇し部屋の上部に、冷たい空気は重たいので下降し部屋の下部にたまり部屋の上下に温度差を生じさせます。
窓からの冷気も加わり、冷たい空気はますます部屋の下部にたまり「暖房をつけているのに足元が冷える」コールドドラフト現象が発生します。
足元が寒い部屋は、窓回りで空気が冷やされることを防止することやサーキュレーターなどで部屋の上下の空気を循環させるとことでコールドドラフト現象を改善して、部屋全体を暖めましょう。
寒い家は湿度を確認してみる
夏に「今日は昨日と気温は同じだけど、湿度が高いから蒸し蒸しして暑い」ってことありますよね。
冬の湿度の話題は、乾燥しているので風邪をひきやすいとか、火災に注意しましょう!といわれますが、それだけでなく夏と同様冬も湿度は体感温度に大きく影響します。
同じ室温の部屋で、湿度が低い部屋と高い部屋では湿度の高い部屋の方が暖かく感じます。
自分できる家の寒さ対策
部屋の寒さを和らげるために、手軽で効果的な対策があります。初めに取り組むべき簡単な方法をご紹介します。
手軽に寒さ対策
- 太陽の光を取り込む お天気の良い日はカーテンを開けて太陽の光を取り込み、日が傾くころにはカーテンを閉めて温められた部屋を保温します。
- 窓の下に暖房器具を置く 窓の下に暖房器具を置くことで、コールドドラフト現象を防ぎます。
- 厚手で丈が長めのカーテンやハニカムシェードのシェードの取付 適切な窓の装飾は、寒さからの保護においても重要です。厚手で断熱性の高いカーテンを選ぶことで、窓からの冷気をシャットアウトし、同時に室内の温かさを逃さず、窓からの冷気の侵入を防ぎます。
- 窓サッシに隙間テープを貼る 隙間をシャットアウトして冷気の侵入を防ぎます。
- 断熱シートの貼り付け 窓に貼ることで、熱を外に逃がさないように遮断します。カーテンと併用すると効果が上がります。
- 床にラグやカーペットを敷く 保温性に優れたウールや厚みのあるウレタンラグを敷いて足元のひんやり対策。
- サーキュレーターの利用 サーキュレーターの風を滞留している暖房の空気にあてて室内の空気を循環さることで、温度ムラをなくします。
- 加湿器の使用 部屋の湿度を50%~60%にすると体感温度が上がって暖かく感じられます。
- プラントを置く 植物は日中には太陽の熱を吸収し、夜間には酸素を放出します。これにより、窓からの冷気を和らげ、部屋の雰囲気も良くします。
- 3つの首を暖める 首・手首・足首の3つの首を温めることで血行が良くなり、温まった血液が全身を巡るため、効率良く体を温めることができます。
冷え性の私は家でいつもレッグウォーマーと友人の手作りのネックウォーマーを愛用しています。レッグウォーマーは足首からではなく、かかとからだと本当に暖かく手気持ちがいいですよ。
忘れていませんか?暖房器具の確認
最近の暖房器具は設定やお掃除機能といろいろ便利な機能があって、ついうっかりメンテナンスやクリーニングを怠ってしまうこともありますが、暖房器具の性能を十分に発揮させ、効率よく運転させる定期的なお手入れも必要です。
- 温度設定、風量調整などの設定が適切か確認する。(おまかせ設定がいつも正しいとは
限りません) - ヒーターや温水ボイラー、エアコンディショナーなどの機器のメンテナンスが不足していませんか?
- エアコンのエアフィルターのメンテナンスが不足していませんか?
- お部屋の広さに対して暖房器具の能力が不足していませんか?その暖房器具で暖められる
範囲はお部屋の広さ以外にも家やお部屋の環境によって違います。
暖房器具は家の状況 生活スタイル、目的に合ったものを使い分ける
最近はパワフルなコンプレッサーの寒冷地用エアコンも販売され屋外温度マイナス25℃まで運転可能なものもありますから、寒冷地でもエアコンを使う家も増え始めていますが、
それぞれの家の性能によって暖房器具を使い分けたり、併用することをおすすめします。
この間の雪がちらついて寒かった日、いくらエアコンの設定温度を上げても、ちっとも暖かくならなくて寒かったわ。
壊れちゃったの?と思ったけれど、今はいつもどおり暖かいの。
故障かしら?
故障ではないですよ。
エアコンは屋外の熱を取り入れて暖房するため、屋外温度が0℃以下になると暖房能力は低下して設定温度に到達しないことがあります。
暖房器具の周りのスペース
暖房機器の周囲に十分な空間を確保していない場合、出力が制限されることがあります。
家具やカーテンなどが暖房機器の前に配置されている場合、効果が薄れる可能性があります。
エアコンの場合は室外機の周辺にも注意が必要です。風を通すための十分なスペースがないと暖房能力が悪化します。
本格的な寒さ対策
プロの力を借りた本格的な家の寒さ対策は費用もかかりますが、暖房費の節約もきて、快適さもアップします。思い切ってプロに頼むことも考えてみましょう!
断熱リフォーム 床・壁 天井
床
1日で工事完了できて、大きな費用もかからずにできる床の寒さ対策は、床下点検口や和室の畳の下地を開けて床下に入り、床下に断熱材を設置する方法です。
すでに断熱材が入っていてもプラスすることで、床下からの冷気をより遮断することができるので、断熱効果が高まります。
床下に入り込むことができない場合は、床を解体して断熱材を入れて新しい床を仕上げます。もちろん断熱効果が上がりますが、床を解体しての工事はかなり大掛かりで、費用も時間もかかるので、ちょっと考えてしまいますが、床がかなり傷んでしまって、床材を新しくするときには断熱材の設置状況を確認して必要であれば設置して下さい。
壁
壁の断熱工事はかなり本気で寒さ対策に取り組む必要があります。
壁に断熱材を入れるには、既存の壁の仕上げ材、下地のボードなどを壊して壁の中に断熱材を入れるのは、工事期間も広さにもよりますが、1週間以上かかる本格的なリフォーム工事になります。
クロスの張替えや間取り変更、耐震工事などで、大規模に工事をするときに行うケースが多いです。大規模な工事になると1ヶ月以上の工事になることもあります。
天井
建物の最上階、2階建なら2階のみに断熱材を施工します。
天井点検口などから天井に入れる場合は工事期間は2〜3日で完成します。
天井の断熱は家全部の断熱工事をする、暑さ対策で断熱工事をする場合には効果を実感できると思いますが、寒さ対策での施工は他の対策の後
窓断熱
プロに依頼する断熱リフォームの中でも、工事期間が短く、準備が少ない窓の断熱リフォームはリフォームが初めての方にもおすすめです。
寒い家を暖かくするのに特におすすめなのは、窓のリフォームです。
実際、私が担当して窓の断熱工事をしたほぼ100%のお客様がすぐにあきらかな効果を実感し、「良かった」と言われるのが窓のリフォームでした。
今なら、かなりお得な補助金が出る商品もありますので、皆様にお勧めです。
窓の形や使い勝手、ご予算等ご要望にあわせて選ぶ
窓のリフォームは快適な生活を実現するだけでなく、エネルギー効率の向上にもつながります。
窓断熱の種類
- 内窓(二重サッシ・インナーサッシ)
- カバー工法での窓交換
- 壁を壊して窓交換
- 機能ガラスに交換
内窓(二重窓、インナーサッシ)
既存の窓の内側にもう1枚、窓を取りつけることです。
寒い地方ではずいぶん前から設置されていますが、省エネの意識の高まりで全国的に設置されるようになりました。防音性、断熱性が高く、防犯の面でも強くなります。
各サッシメーカーから商品が販売されています。
YKKAP
マドリモ 内窓
プラマード U
カバー工法での窓交換
壁を壊さずにか二重ガラスもしくは三重ガラスの新しいサッシに換えることができるのがカバー工法による窓の交換です。古い窓が見た目も機能も新しくなりまわさないのdわさないので交換するので費用を抑えることができます。
各メーカーから商品が販売されています。
LIXIL リプラス
壁を壊して窓交換
既存の窓を外して、新しいものに交換します。断熱性、機密性の高い樹脂製の枠、二重や三重の複層ガラスにします。見た目も含めた機能性では上がりますが、窓の周囲の壁を壊す必要があるのでコストは高くなります。
機能ガラスに交換
サッシが二重になるのは嫌な方や新しいサッシにするのに抵抗がある方には機能ガラスに交換することをおすすめします。ガラスの交換ですから、サッシの交換よりも工事も簡単です。機能性ガラスは断熱、遮熱などを高める機能のあるガラスです。
機能性ガラスには複層ガラス、Low-Eガラス、強化ガラス、合わせガラスなどがあります。
既存のサッシによっては、取り付けられない場合もありますので、専門の業者にし相談しましょう。
断熱におすすめは、複層ガラス、Low-Eガラス複層ガラス、真空ガラス
- 複層ガラス
2枚のガラスの間に乾燥空気を封入した中空層を持たせ熱移動を防ぎ断熱性能を高めたガラスです。 - Low-E複層ガラス
複層ガラスの一種、室内のの熱を逃がしにくいLow-E膜と呼ばれる特殊な金属膜をコーティングしたガラスで構成された複層ガラス。これにより、冷気の侵入を抑え、部屋を暖かく保つことができます。 - 真空ガラス
複層ガラスの一種、2枚のガラスの間が真空になっています。真空によって熱の 移動が起こらないのでず暖かく保つことができます。
断熱性能の高いのは 複層ガラス<Low-E複層ガラス<真空ガラス となります。
窓のリフォームは、寒冷地域での冬季において特に重要です。二重窓やLow-Eガラスの導入、ウィンドウフィルムの利用など、様々な手段を組み合わせて窓からの冷気を防ぎ、暖かく快適な部屋を実現しましょう。窓のリフォームは快適な生活に貢献するだけでなく、エネルギー効率の向上にも繋がります。
寒い家を暖かくする方法 まとめ
寒い家を暖かくするのに、一番効果的なのはプロに依頼する断熱工事です。
でも、大掛かりな断熱工事を決断するはなかなか敷居が高いものです。
まずは、自分でできる窓回り対策や湿度対策から始めてください。
自分で作業するのは苦手な方はアロマ対応の加湿器やミストが楽しめる加湿器など手軽なところならなら始めてみてください。
とにかく、暖かくして!とか、もう我慢できない!と思われるなら、窓のリフォームを実施してください。
思ったよりも短期間で負担も少なく「やってよかった」と効果を実感できます。